契約書の保管について

取り出せるように整理整頓

契約書は企業間や個人対企業の取引内容を書面として残す、大変に重要なビジネス文書です。
契約書となる文書は法律的に大きな規制を受けるものではないので、その取引に関しては契約書面に定められる条件が何よりも優先されることになります。

裏を返せばもしその契約書をなくしてしまったら、そこにどんな条件での取り決めがあったとしても全くその効力がなくなってしまうということになります。
ですので作成した契約書は細心の注意を払い、企業内できちんと保管をしておくとともに、必要なときにはすぐに取り出せるように整理整頓をしておくことが求められます。

ところで、そんな大切な契約書ですがもしその取引が終わったらどうすればよいのでしょうか。
継続的な取引であればそれが続く以上はずっと保管をしておかなくてはなりませんが、一回きりの売買契約などでは品物の受け渡しが順調に済んでしまったらそこでその契約書に書かれた内容については保管をしておく必要がなくなります。
しかしかと言って終わった途端に破棄をしてしまってもよいというわけではありません。

重い罰則を受けてしまうことも…

契約書はのちに税務署監査が入ることもあるため、最低5年間は保管期間とすることが定められています。
もし税務署から企業監査を受けた時に過去5年分の契約書が残っていないと、証拠を隠蔽したとしてより重い罰則を受けてしまうこともあります。
そうなると5年経ったらすぐに破棄してもよいのかということにもなりますが、それ以上の期間については企業の担当者の判断によることになるでしょう。

実務面で見てみると、できれば契約書はよほど業務内容が変化したということでもない限りできれば半永久的に取っておく方がよいようです。
というのは過去に一度取引したきりの企業や個人の方が再度取引を申し出るということもありますし、そのときに過去の内容が参照できないとお互いの認識にすれ違いが起こってしまうこともあるからです。

またその企業がのちに上場を目指すことになったときには、過去の取引実績などをかなり細かく調べられることもあります。
長年に渡って健全な取引をしてきたという実績は直近の財務内容以上に大きな信用度を与えるものなので、できれば長く保管をできるような体制をとっておきたいところです。

紙面での保管の場合、紙の劣化により数年で読めなくなってしまうようなこともあります。
5年経過後にはデジタルデータ化してしまうなど、長期的に保管可能なしくみも用意しておきましょう。