契約書は必ずしも必要ではありません
物品売買や特定のサービス提供をするときには、どのような方法であっても必ず「契約」を双方で結ぶことになります。
私達は普段の生活の中で、コンビニやスーパーで食べ物などを購入したり、美容室やエステサロンでヘアスタイルやマッサージなどのサービスを提供されるといったことを当たり前に行っています。
このような日常の経済活動は全て契約によって成り立つものとなっており、提供者(お店)側がどんなものをいくらで行うかということをあらかじめ明示し、ほしいと思う顧客側がその対価を支払うことで提供を受けることができるようになっています。
通常そうした日常の活動において、いちいち契約書を作成するということはありません。
それは民間で行う契約は必ずしもその成立に書面による同意が要件になっているわけではなく、口頭による同意や契約の成立を認めたことが客観的に判断できる行動により成立したものとみなされるためです。
これはお店と顧客といった個人の契約だけでなく、法人同士の契約であっても同様になっています。
ですので必ずしも契約をするときには全て契約書を作成しなくてはいけないということにはなりません。
契約書が必要になる場合
ですが契約書の作成は全国どんな業種においても必ず一度は行われるものとなっています。
それは本来ならば特に必要とされないはずの契約書であっても、必要になる場面があるということでもあります。
契約書が必要になる場合とはその契約が締結後に何らかのトラブルのもとになる可能性があるときです。
もし法人間の取引において、口約束だけで取り決めをしてしまっていたらどうでしょうか。
契約はしたけれども品物がいつ届くかわからない、支払いをいつどんな方法で行ってもらえるかがわからないということでは安心して契約をすることはできません。
契約書とはそうした経済活動の妨げとなるような問題が起きないように、あらかじめ期限や内容を定めてその通りに互いに執行をすることを義務付けるための保険の役割をします。
もし契約書がなかったら
もし契約書がなかった場合には、何らかの契約違反があったとしてもそれを証明することができません。
口頭で「6月末までに全額払う」と言っておきながら、実際には期日が過ぎても支払いがないような場合などです。
そうした時には裁判所などに未払いで訴訟を起こされてしまうこともあります。
ですが裁判においてはその契約がいつまでにいくら支払う契約をしたかということが証明できなければ、未払い分について執行を受けることができません。
口約束などでもケースによっては契約内容の証明をすることは可能ですが、大抵の場合非常に難しいと言えるでしょう。
しかしそこに契約書があると全く様子が変わってきます。
契約書に双方の署名などがあれば、契約時に同意があったとみなし未払いや未執行があったときにはその分の執行を強制させることができます。