出版会社の導入事例

契約書の送信と回収の手間が大きかった

出版社も、契約書の量が非常に多い会社の一つです。
というのも、小説や雑誌の記事、漫画などは一つずつに契約書が必要となり、しかもほとんどのケースで契約を締結する相手は企業ではなく執筆者個人であるという理由があるからです。
より多数の相手との契約が必要となりますので、当然それだけ契約書の量も多くなります。

通常執筆者とのやり取りは編集者が行うことになりますが、編集者は執筆の内容についての話し合いに集中する傾向が強いので、どうしても契約書の提出とその回収、確認などがおろそかになってしまうということになります。
そのため、必然的に契約書のやり取りに遅れが生じてしまったり、バタバタしている間に必要な時までに受け取れないという事態が発生しかねない状態でした。

オンラインでの契約書管理システムを取り入れることで手間が一切かからなくなった

そこで、ある出版社ではオンライン上の契約書管理システムを導入することにしました。
データとして契約書を送信して、そこにデジタル押印もしくは署名をしてもらうというものです。

これによって、編集者を介さずに直接法務部が執筆者などに契約書を送ることができるようになりました。
編集者は本来業務である、原稿についてのチェックに集中できますし、契約書の回収し忘れなどが生じなくて済むという大きな効率化が図られるようになったのです。
また、単純に紙での印刷がなくなった分、紙代や印刷コストがかからないというのもメリットです。

さらに、オンライン上での契約書取引ができるようになった分、よりスピーディーにすべての作業ができるようになっているというのも大きなポイントです。
特に検索作業においては紙ベースの書類との差が明らかです。
執筆者の名前や作品名を入れれば、瞬時に該当する契約書を参照することができますので、かなりの作業減となっています。

経理や人事管理もペーパーレスにして書庫を不要とした

この出版社では、契約書管理と同時に人事や経理に関する書類もペーパーレス化を進め、ほぼすべての書類を電子化することに成功しています。
そうすることによって、人事関連の履歴書などの書類の紛失などのトラブルが生じなくなり、より確実で安全な作業ができるようになったのです。

こうした様々な部門にわたる電子化への取り組みによって、書類が相当量減り、書庫を不要とすることにさえ成功しています。
もちろん、財務関連などの書類は保管義務がありますので、そうした義務が生じる書類については保管がなされていますが、それ以外のものはデータでのみの保管となっているので、作業スペースの確保や作業効率化が図られているのです。