賃貸借契約書

賃貸契約をするときに締結する契約

賃貸借契約とは、法人や個人が特定の使用目的を持って建物の一部を借りるときに締結をする契約のことをいいます。
一人暮らしの経験がある人などは、引っ越しをする物件を見つけたときに不動産業者と何か契約書を作成して押印や署名をした記憶があることと思います。

賃貸契約においては、建物の一室を使用する代わりに月額で定められた金銭を支払うこととしていることがほとんどでしょう。
しかし実際に契約ということでみてみると、単純な大家と賃借人の間の契約ではなく仲介業者や管理会社も関係した複雑な権利関係ができていることがわかります。

個人が居住用としてアパートやマンションの一室を借りる場合にはまだわかりやすいのですが、これが法人が営業目的でビルのテナントを賃貸するというような場合になってくるとかなり権利関係は複雑になり、用途についても厳しく制限を受けることになります。

後の賃貸トラブルを避けるために

個人でも法人でも賃貸のための契約をするときにはのちにトラブルにならないようにいくつかの項目を確認しておくようにします。
賃貸契約においては、法律により宅地建物取引主任者が所定の重要事項について賃借人に対して説明をすることと定められていますが、実際にはほとんどの場合で説明行為が形骸化してしまっていたりします。

また口頭での説明を全て暗記している人もそうそういないでしょうから、あとから確認が必要な事件が発生した場合に確認をするもとになるのは契約後に手元に渡されることになる契約書となります。

賃貸契約書できちんと確認をしておきたい項目としては、「賃料・管理費・共益費などの諸経費」「契約期間と更新方法」「敷金についての取り決め」「滞納時の対応方法」などがあります。
他にも建物を使用するときに発生する設置器具や建物の構造の破損についての負担や責任についてもしっかりと調べておく必要があります。

いずれにしても賃貸契約においては契約締結時すぐにトラブルが起こることはごくまれで、大抵のトラブルは実際に入居をしてから数ヶ月や数年あとになって発覚をしてきます。
その際にすぐに調べることができるように、賃貸契約書は手元に保管をしておきいつでも参照できる状態にしておきましょう。

賃貸契約における用途制限にも注意

賃貸契約をするときに個々の事例によって取り決めが必要になるのが、その建物やスペースの用途制限です。
例えば居室用として賃貸した一室を、オフィスや店舗として使用をすることは基本的には許可されていません。

あらかじめ用途が制限されている建物の場合にはどこまでが許可されているかを事前に確認し、将来的な用途にもきちんと適合している物件を選びましょう。

また個人の場合で特に争いが起こりがちなのがペットに関する相談です。
居室用として賃貸した物件の場合、ペットの飼育は許可されていないことがほとんどです。
こっそりと飼うような人も多いようですが、そうした場合にあとから発覚をしたらどういう扱いになるかということもきちんと知っておいた方がよいでしょう。