雇用契約書

雇用する側が用意する契約書

雇用契約書という言葉を一度は聞いたことのある人がほとんどではないかと思います。
一般的に、企業で仕事をするにあたり、その雇用内容を書いてあるものが雇用契約書というイメージかと思いますが、雇用契約書は法律によって、人員を雇用する企業側が用意する必要があるものです。
雇用契約書は労働基準法の第15条と、同じくど労基法の施行規則第5条によって、企業側に雇用契約書を作成する義務があると定められています。

記載しなければならない内容は、主に雇用条件などについてです。
企業によって雇用形態や労働条件などは異なりますが、どのような内容を記載する必要があるのかについても、法律で定められています。

1つ目は、労働期間についてです。
雇用契約を3か月や半年で契約している人は多いかと思いますが、その契約した期間を記す必要があります。
2つ目は、就業場所についてです。
就業場所が1ヶ所の場合も、働く場所はどこであるかを記載しなければなりません。
3つ目は就業時間になります。
勤務開始時間や終業時間、休憩時間、休日など、就業における時間についての詳細を、契約した内容に沿って記載します。
4つ目は労働賃金に関することです。
時給の場合や月給、日給など賃金はさまざまな形態で支払われますが、使用者と雇用者で契約した内容を記載します。
5つ目は退職関連についてです。
退職するにあたっての契約内容や、解雇に値するケースなどを記載します。

使用者(企業側)は、これらを明記した雇用契約書を作成し、雇用者にサインしてもらうことで、実務に入ってから労基上のトラブルを防ぐことができるのはもちろん、雇用者側の問題で解雇しなければならなくなった際などの揉め事も防ぐことができます。

雇用契約書を結んでいない場合も多い

正社員や契約社員などの場合は、ほぼすべてといってよいほど雇用契約書を作成し、契約をきちんと結んだ上で実務に入りますが、アルバイトなどの場合は、こうした契約書を交わさないまま働いているケースも多いです。

一企業の労働者数が多くなると、雇用契約書での契約をした後に労働条件を変える必要が発生した場合に、事務的に処理しきれなくなってしまうことも考えられます。
そのため、労働条件を変更するにあたっては、就業規則で労働条件を変えることができるようです。

就業規則も雇用契約書も作成せずに雇用していた、または明確な労働条件すら決定していなかった場合、労基法第15条に違反してしまう可能性も考えられます。
トラブルを防止するためにも、就業規則や雇用契約書はできるだけ作成し、きちんと契約を結んだ上で就業していただくのが理想的です。