これだけは知っておきたい基本

契約や契約書の重要性を認識する

企業活動においてはたくさんの書類を作成することになります。
ですがその中でも契約書の重要性はとりわけ大きなものであると言えるでしょう。
契約とは、企業または個人が取引を行うときの条件などを詳しく定めたものであり、そこに書かれていることに従いそれからの営業活動が行われていくことになります。
日本においては伝統的にそうした契約よりも人的な要素を重視する傾向にあるため、あまり細かく項目を定めたりするのは失礼というような感覚を持つ人もいるようですが、国際化を迎えた現在においては契約や契約書の重要性を認識することは大変に重要です。
契約書を作成しないで行う取引においては、もし何らかのトラブルが起きたときに対処を依頼してもそれはただの口約束にすぎないので、言った言わないの争いとなり、最終的に責任をとってもらえないということもあります。
ですので、改まった形式でなくともきちんと契約書はその都度作っておくようにしましょう。

企業や個人の行う契約は4つ

法律的には、企業や個人の行う契約は4つの原則によって成り立っています。

1.契約締結の自由 … 契約をするかしないかを決める自由
2.相手方選択の自由 … 誰と契約をするかを決める自由
3.内容決定の自由 … どんな契約をするか決める自由
4.方式の自由 … どのような方式で契約をするか決める自由

ただし一定の制限がつくのは3.の内容決定の自由についてで、基本的にはどのような契約をすることも本人たちの同意によりますが、その内容があまりにも反社会的なものであるとき、その契約は無効とされます。
具体的には、依頼殺人や人身売買といった著しく公序良俗に反するものや、労働法や利息制限法など他の法律で内容に一定の制限を設けられているようなものの場合です。

また、4.の方式の自由ですが、契約そのものは例え口約束であったとしてもその契約自体は有効です。
ただし契約内容と違う取引になったといったことが起きた場合には、裁判などで争いになっても証拠がないので結果的に不利になることが多いということです。
逆に考えれば、契約書に特定のフォーマットや必ず記載しなければならないと法的に定められている決まりはないので、例え切れ端に書かれたメモ程度のものであっても、しっかりと内容が確認できるようになっていればそれは後に訴訟などになったときに重要な証拠として残されることになります。
このような原則を踏まえたうえで、正しく円滑な取引を行うことができる契約書を作成していきましょう。