出版社と作家間で結ぶ契約
小説やエッセイなど、作家の執筆した著作物を出版社が出版するにあたり、「出版契約」を締結する必要があります。
出版においては、著作物を製本するにあたり、膨大な数のコピーを行うことになりますが、その行為は著作権法に抵触するため、出版の前に作家と契約を交わす必要があるのです。
契約については、作家が出版社が複製や出版をすることを許可すること、出版における印税額などを中心に決めることがほとんどです。
著作権においては、それぞれの作家との出版契約によって異なりますが、出版にあたり著作権を出版社に譲渡する際には、「著作権譲渡契約」も出版契約と合わせて締結します。
著作権をまるまる譲渡せずに、出版において著作権に抵触しない形で進めることができる「出版権設定契約」というものも存在します。
これは著作権は作家のままで、出版するにあたり必要となる権利を出版社に譲渡するというもので、この契約を結ぶと、契約した出版社以外の企業や人物はその作品を出版することができません。
出版契約書について
出版契約を締結するにあたり、出版契約書を作成することが一般的ですが、出版社と作家の関係が密になってくると、書類を交わさずに口頭での契約で出版が進められることもままあるようです。
ただ、それは何冊もの著作を出版している作家との場合で、初めて出版する場合には、ほとんどが出版契約書を作成します。
出版契約書を作成することで、契約内容をより明確にして後のトラブル発生を防ぐことができますし、後から契約内容を忘れてしまった時も、契約書があれば契約内容をすぐに確認することができるというメリットがあります。
とはいえ、一般の企業間で行われる取引の場合、契約書なくして契約の締結はありえませんが、出版界においては、口答であっても作家と出版社との出版契約は成立していると考えられるため、前述したように出版が決まるたびに必ずしも契約書を交わす、というわけではありません。
昔は、出版というと紙媒体がすべてでしたが、インターネットが普及したこともあり、出版界では電子書籍での出版などさまざまなビジネスモデルが生まれています。
そのため、口頭契約など今までと同じ流れでは契約に不安を覚えるという出版社も増えてきて、今は契約書をきちんと作成した上で締結するケースが増えているそうです。
今後も出版契約はさまざまな変革を遂げていくのではないでしょうか。
ビジネスパーソンなら必ず知っておきたい契約書の知識、管理方法などお伝えします。
セキュリティ対策を正しく行い契約書を管理しましょう。
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