秘密保持契約書

情報の取り扱いについて書面化している

個人情報漏えいなどの事件が増えてきている昨今、「秘密保持契約書」は、情報の取り扱いにおいての秘密保持義務などを書面化した重要な契約書です。
秘密保持契約書のほか、「守秘義務契約書」、「機密保持契約書」とも呼ばれます。

企業間での秘密情報の取り扱いも、企業で働く雇用されている人の秘密情報の取り扱いについても、情報漏えいを防ぐことについての重要性は同じです。
万が一情報漏えいが発生してしまった場合には、天文学的数字の損害が発生することも考えられます。

ただ、こうした情報を守るための法律は充実しておらず、情報を保護するためにはさまざまな条件を満たさなければならないことから、法律で情報が守られることはとても困難です。
そのため、情報が守られるための法律に保護されない場合でも、企業が持つ情報を保護するために、秘密保持契約書を作成します。

秘密保持契約書の内容

秘密保持契約書を締結するパターンはいろいろありますが、例えば自社の保持する情報を取引先の企業に開示する場合、取引先の企業がどのように情報を取り扱うべきか、また開示する情報の範囲、開示期間などを取り決めて契約書に記載します。

情報については、秘密であるか、秘密でないかという点が情報を開示する企業と取り扱う企業での認識に違いが出ることが多々あるため、どの情報をどのように扱うか、という点についてはきちんと明記しておくことが大切です。
また、情報の開示範囲においても、情報を取り扱う企業の社員全員に開示してよいのか、それとも一部の社員のみ取り扱うのかという点についても重要なポイントになります。
一部の社員のみの開示だった場合、たとえ必要だったとしても、範囲外の人間に情報を開示することは、契約違反になりますので注意してください。

秘密保持契約書には、その情報をどのような目的で使用するかという点についても記載します。
契約書に記載された目的以外での使用は契約違反となりますので、情報を横領されないためにも、またトラブルを防ぐためにもこの点を明確にしておきましょう。

情報の秘密保持期間は、秘密情報を実際に取り扱う期間と、取り扱いを終えた後に、知り得た情報を秘密にしておく期間を定める、2種類の期間があります。
両方の期間が定められる場合もありますが、どちらか1つの期間のみ定められる場合もありますので、秘密保持期間がどの期間を指しているかを明確にすることが大切です。

秘密保持契約書は、今後も多くの企業や就業する社員との間で取り交わされることになりますので、契約書を作成する側はもちろん、契約書にサインする側もその内容についてしっかりと理解し、秘密保持への意識を高める必要があります。