契約がなかったことになる!?『消滅時効』

時効の援用

消滅時効何らかの契約をすれば、義務が生じます。
誰かからお金を借りたならば、お金を貸した人は債権を有します。
債権というのは、借りたお金を返すことを請求できる権利のことです。

このような債権は一定の期間が経過してしまうと消滅してしまいます。
つまり、借金をしたとしても、時効が存在しているため、その期間を過ぎてしまうと債権が無効となり、お金を返さなくてもよくなるのです。
これはお金を請求できる権利があるにも関わらず、その権利を行使しない人に関しては法律は保護しないことになっているのです。

ただし、権利を行使するとその時点で時効は中断されてしまいます。
そのため、時効期間が近づいてきたら、時効が消滅するのを避けるために権利を行使しなければいけません。
時効というのは、債務者の方から主張をしなければいけません。

債務者が時効を主張することを時効の援用といいます。
債権者は債務者に対して時効が過ぎたとしても請求したり、裁判を行うこともできるのですが、債務者が時効を援用した時点で債権はなくなってしまいます。
もちろん、時効が過ぎたとしても債務者が任意に支払うことは可能です。
もし債務者が債務を行うことを承認した場合には、たとえ時効が過ぎていたとしても、時効の援用はできなくなります。

主な債権の消滅時効と中断方法

それぞれの債権に関して消滅時効は決められています。
たとえば、小切手債権であれば時効は半年です。
労力者の債権や運送賃、旅館や料理店の債権といったものは1年となっています。

飲食店やホテルの料金、レンタルビデオの料金などは1年が時効となっているため、それを過ぎると支払う義務がなくなるのです。
弁護士の債権や給料債権、商品の売掛金といったものは時効が2年となります。
ただし、退職金に関しては5年となっており、労働基準法における労働者に該当しない者は給料の時効は1年です。

医師の債権や工事業者の債権、手形債権などは3年となっています。
商事債権や定期給付債権は5年となります。
たとえば会社が行う貸付やクレジット債権、家賃といったものは5年が時効となっているのです。

民事債権や確定判決などは10年が時効となっています。
時効を中断する方法としては請求や債務者の承認、差し押さえ、仮処分などがあります。
内容証明郵便による請求に関しては時効を半年送らせる効果しかないです。

基本的に時効を中断させるには債務者に一部のお金を支払ってもらったり、裁判手続をするしかありません。
消滅時効に関しては債務者にとっても、債権者にとっても重要でしょう。
特に債務者にとっては、時効が過ぎてしまえば不利益を被ってしまうことになるため、きちんと時効を確認しておくべきです。
債権者の場合は、時効を待つという選択をする方も存在します。

運送契約

2種類存在している

旅客や物品の運送を約束する対価として相手が報酬を支払う契約のことを運送契約とよびます。
これには物品運送と旅客運送の2種類が存在しています。
また、運送がどの地域で行われるのかによって陸上運送と海上運送、航空運送の3種類に分けられます。

運送契約としては、たとえば普段日常的に利用している電車やバスなども含まれています。
これらの乗り物を利用している方は、契約をしているという自覚はほとんどないでしょう。
しかし、目的地まで運んでもらうために運賃を支払うのは、運送契約に基づいたものなのです。

契約というのは、料金を支払って、それによってサービスを受けるものすべてに当てはまります。
料金を支払わなければ利用することをとめられる点から、これが契約であると理解しやすくなるでしょう。

電車の場合は鉄道会社があらかじめ契約内容を定めており、利用者はこの契約を承諾した上で乗車券を買い、電車に乗ることになります。
しかし、大部分の方は電車に乗るための契約内容がどのようなものであるのかを確認していないでしょう。
また、契約内容を確認していないとしても、普段は特に問題が生じません。

ところが、たとえば電車が遅れてしまい、乗車券を払い戻せと主張する方が出てくる場合があります。
この際には、どのような条件であれば乗車券の払い戻しに対応するのかがあらかじめ決められているのです。
このようなトラブル時には電車を乗ることが運送契約の結果であることをよく理解できるでしょう。

運送契約のポイント

電車の場合に、わざわざそれぞれの利用者と契約書を取り交わしそれに調印していたのでは効率が悪すぎます。
そのため、鉄道会社は約款というものを用意しています。
約款として契約内容を定めておき、お客さんはそれに承諾した上で乗車するという建前となるのです。

そのため、鉄道会社は約款を変更する際にはお客さんと交渉をする必要はありません。
基本的に乗車券を購入した段階でお客さんは約款に同意したものとみなされるからです。
このような契約方法を付合契約といいます。

約款に関しては多くの乗客に影響を与えてしまうため、お客さんに不利な内容になってはいけません。
そのため、監督官庁は定期的に約款をチェックしており、問題があるならばその部分を訂正させるように注意します。

約款については駅の事務所へ行けば確認することができます。
この約款を見たいと頼めばすぐに出してくれるでしょう。
運送条件の確認をすることは契約しようとしている方にとっては当然の義務であり、これを断るようなことはできません。

実際にはわざわざ約款を確認してから乗車する方はほぼいないでしょう。
しかし、万が一の際には約款にしたがって対応が取られるため、暇な時に一度確認してみると良いでしょう。

婚姻

社会的に承認される

婚姻婚姻とは簡単にいえば結婚をすることです。
ただし、社会的に承認されていることが必要であり、法律上の手続きを通さないと婚姻は成立しません。
具体的には婚姻届を提出して、それが受理される必要があります。

婚姻については憲法24条の規定があり、両性の合意にのみ基づいて成立するものとなっています。
すなわち夫婦になろうとしている人達以外の意思は関係がありません。
もちろん、実質的な要件を満たしていることは必要です。

まず婚姻年齢に達していることが条件であり、男性は満18歳、女性は満16歳に達していなければいけません。
この年齢に達していないならば法律上は結婚できません。
また、重婚は禁止されているため、離婚をしたり、配偶者が死亡していないと重ねて結婚をすることはできません。

一定の近親者による結婚は日本では認められていません。
具体的には直系血族や三親等内の傍系血族の結婚はできないことになっています。
したがって、いとこ同士の結婚は可能です。

未成年者が婚姻するためには父母の同意が必要です。
父母は法定代理人であり、いずれか一方が同意すれば結婚はできます。
ただし、父母が両方ともに死亡している場合は同意は必要ありません。

女子に関しては再婚までに一定期間がなければいけません。
これは妊娠をしている場合に備えた措置です。
上記の要件を満たしていれば、きちんと婚姻届を提出することにより、法律上の効力が生じます。
以上が婚姻の基本となります。

婚姻の注意点

婚姻に関しては婚約と内縁という言葉がよく使われます。
婚約とは将来男女が夫婦になることを約束している状態のことです。
内縁というのは社会的に見ると結婚をしているのと同様の状態になっている男女のことであり、法律上の保護を受けることはできないのですが、特に非難される理由はありません。

親同士が許嫁として約束をしている場合は婚約とはいえません。
婚約が成立したならば、夫婦がともに生活をするための努力をする責任が発生します。
この際に不当な理由で婚約破棄をした場合は損害賠償を請求できます。

内縁に関しては、届け出がないだけであり、それ以外については夫婦と差異がないです。
したがって、法律上は夫婦と同じように扱われます。
ただし、内縁の子に関しては嫡出子として認められません。

結婚をすることによって、さまざまな法律関係の効果が発生します。
たとえば、氏を同じくしなければいけません。
同居をして、協力をして、扶助をする義務が生じます。

未成年に関しては結婚をすると成年とみなされるようになります。
ただし、選挙権や飲酒などに関しての身分は変化しません。

婚姻に関してはさまざまな法律上の取り決めがあります。
結婚をする前に、自分達にどのような責任や権利が生じるのかをよく確認しておくべきでしょう。

使用賃借契約

ただで物を借りられる

使用貸借というのは借主が貸主から無償で物を借りる契約のことです。
この契約は要物契約となっています。
物を受け取ることによって初めて契約が成立します。

また、無償契約であり、ただで物を借りることができる権利を得られます。
そのため、通常は家族や親類、友人知人などの間で取り交わされることが多いです。
使用貸借は普段はあまり聞くことのない契約方法でしょう。

友達から自転車を借りたり、マンガを借りるなどは使用貸借契約に当てはまります。
賃貸借という契約がありますが、こちらの場合は賃料のやり取りをして物の貸し借りをする点が貸借とは異なっています。
この2つの違いは基本的には賃料のやり取りをするかどうかのみです。

使用貸借でよく問題となることが多いのは土地の貸し借りです。
たとえば、子供がマイホームを持ちたいと考えて、土地を買うためのお金がない時には親から土地を借りることがよくあります。
この場合は賃料を支払わずに使用貸借として土地を借りることが多いです。

仮に子供が地代を支払えば賃貸借となるのですが、親子で地代のやり取りをするケースは少ないです。
この時に問題となるのは課税関係です。
通常、土地を借りる際には地代や権利金を支払うのですが、親子間ではこのようなお金のやり取りをしません。

この場合、子供がかなり得をしたことになり、考えようによっては親から子供に土地が贈与されたと考えることもできるのです。
この時に贈与税がかかるのかというと、実際には贈与税は発生しません。
一方、賃貸借の場合は贈与税がかかってしまうため子供は大きく損をすることになるのです。
ただし、使用貸借であっても相続税は発生するため気をつけましょう。

使用賃貸の注意点

使用貸借では返還時期を決めた場合にはその時期になったらきちんと返還しなければいけません。
返還時期を決めなかった場合には、目的を達成した時、あるいは目的を達成するために相当な期間が経過した時に貸主の方から返還を請求できます。
たとえば本を貸したとして半年間経っても返してもらえない時には、貸主の方が要求すればすぐに返還してもらえるのです。

使用貸借については借主が死亡した時にはその効力は失われます。
また、特別な定めがない場合には貸主はいつでも借主に対して返還を請求することが可能です。
上記は土地や建物に関する使用貸借でも同様に適用されます。

たとえば家をしばらく留守にするため、その間は住んでもいいと頼んだ場合には、貸主が帰ってきた時にはすぐに家を明け渡す必要があります。
借地借家法が適用されないため借主は権利を主張することができず、すぐに明け渡すことになるため、使用貸借として家を借りる時には気をつけましょう。
トラブルが起きると裁判で決着をつけることになるため、なるべく問題を回避するべきです。

消費賃貸契約

金銭のやり取りで成立する

賃貸借消費賃貸契約とは借りたものを消費することを条件として、借りたものと同じものを同じ数だけ返すことを約束して金銭や物を借りる契約のことです。
この消費賃貸契約の中でも金銭の貸し借りに関するものは金銭消費賃貸契約と呼ばれます。

消費賃貸で目的物となっているものは消費物であり、たとえば米や酒といったものです。
しかし、実際にはほとんどが金銭を扱う賃貸契約となっています。
貸し株というのも消費賃貸の一種です。

消費賃貸契約は実際に金銭などがやり取りされないと成立しない契約です。
貸主と借主にはそれぞれ義務があります。
貸主には担保責任があり、物に隠れたキズや欠陥などがあった場合には、それらがないキレイな状態のものに代えなければいけません。

場合によっては損害賠償の請求が可能です。
借主はきちんと利息を支払う義務があり、目的物をきちんと返還しなければいけません。
借りた時に受け取ったものと同じものを返還できない場合にはその時点での物の価額分のお金を支払う必要があります。

金銭消費者賃貸契約の場合は借主が将来返済することを約束して、貸主が金銭を交付した時点で契約が成立します。
ただし、実際には金銭の交付の前に借用証書や契約書を作成するのが一般的です。
契約書と借用証書はどちらも法的な効力は同じであり、どちらも証拠になります。

消費賃貸契約の注意点

もし消費賃貸契約をするならば、無理のない返済プランを考えて、きちんと契約書を作成して、その内容を確認することが大切です。
契約の際には代理人が行うこともできるのですが、できれば自分自身で契約を締結するべきです。
契約書には金額や利息、返済期限などを記載します。

利息については法律により制限があるため、それを超える額の利息については無効となります。
利率についての定めがない場合には法定利息の年5%の定めがあったとされます。
また、契約書には期限の利益の喪失についての条項が設けられることが多いです。

期限の利益とは期限が到来しない間は借主は債務の履行を請求されないという利益のことです。
しかし、借主が返済を延滞してしまうと上記の条項が適用されることがあります。
そうなるとまだ期限が到来していないにも関わらず債務の履行をしなければいけません。

契約書については借主と貸主のものを2通を印刷しましょう。
それぞれの契約書に署名と捺印をしなければいけません。
印紙税を支払った証として収入印紙を貼らなければいけません。

契約書はなくさないようにしてきちんと保管しておきましょう。
場合によっては連帯保証人を要求されたり、公正証書を作成したり、抵当権を設定することがあります。
抵当権というのは担保のことであり、債務不履行の際には担保を売却することによって債権が回収されます。
契約について分からない部分はきちんと専門家に相談しましょう。